「人生二度なし」
道院長は自営業か公務員でないと無理、そんな思い込みがありました。会社員の自分は道院長になるつもりはありませんでした。しかしある時会社員から仕事を取ったら何も残らないことに気が付きました。
それまで見ていた師の道院長の姿も憧れでした。いつも穏やかで楽しそうに指導され、師を慕う門下生が多くありました。人生二度なし、一念発起して道院長になりました。いざ始めてみると大変なことでしたが、自分が育った地域の子どもたちにこの素晴らしい少林寺拳法を伝えたいという思いで一杯です。
「手段と目的」
少林寺拳法の目的は「人づくりによる国づくり」で、少林寺拳法はその手段と位置付けられています。ところがいつの間にか少林寺拳法をすることが目的になってしまうことがあります。
目的と手段が入れ替わる「本末転倒」にならぬように気をつけています。
そのためには常に法話の機会を設けて「君は何のために少林寺拳法をしているのか?」を問いかけ、拳士が自覚するように訴えかけています。
「道院という家庭」
老若男女、大人と子どもが入り混じった昔の家庭のような道院にしたいです。現代は家庭と言っても少人数です。昔は大家族でしたから、人にもまれて大切なことを学びました。道院にはおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、弟、妹みんな居ます。
敬う心、慈しむ心、指導力や協調性など「生きる力」を養える道院を目ざしています。
「バラバラでひとつ」
京都衣笠道院では、約30名の拳士が在籍しています。その顔ぶれはきわめて多彩です。小学生・中学生・高校生・大学生、社会人も20代から60代までほとんどの世代が揃っていると言っても過言ではないでしょう。このバラバラが京都衣笠道院の特徴です。
特に若い世代が集まるととても賑やかで楽しそうな声が聞こえてきます。シニア世代も羨ましそうに眺めています。でも大事な場面では、年の功でシニア世代がアドバイスすることもあります。
このように違う世代が、お互いを認め合い協力し合って一つの空間を作っています。
「25年ぶりに復帰」
私が少林寺拳法に出会ったのは、高校のクラブ活動でした。
高校を卒業後は、少林寺拳法から離れておりましたが、我が子が小学校に入り少林寺拳法に入門したのを期に25年ぶりに復帰しました。
我が京都衣笠道院には、私のように久々に復帰されて修練されている方が数名おられます。
新規入門でも、復帰でも、あたたかく迎えてもらえる良い雰囲気の道院で、京都衣笠道院で復帰出来て良かったと思っております。
少林寺拳法に興味がある方、一緒に楽しく修練してみませんか。
(尾初瀬 貴之 初段)